お笑いライブのような社会科の授業を各学年で行なっている樋川先生。
授業で取り入れるボケに対して生徒からの容赦ないツッコミはまるで吉本新喜劇。
福島弁を流暢に使いこなす授業と、シュールなジョークは在校生からも大人気です。
これまでの経歴

福島県出身。担当は社会科全般。
幌加内高校に来るまでに渡り歩いてきた高校は以下の通り。
- 福島県立安積高等学校(1年)
- 福島県立修明高等学校(3年)
- 福島県立安積黎明高等学校(2年)(福島県高等学校文化連盟事務局兼務)
- 北海道幌加内高等学校(現在2年目)(2020年現在)
学生時代は吹奏楽部で活動し、安積黎明高校では管弦楽部を率いて全国大会に出場。
専門はトランペット、チューバ。
社会科教師として
大学時代に東日本大震災を経験して、地元福島県のために貢献できるよう教師の道を目指した樋川先生。
「故郷に戻って教師をやりたかった」
大学卒業後、福島の復興を意識して福島県内での勤務を志し、以来、地元の3校で経験をしてきたが、特に安積黎明高校の生徒と出会い、もっと自分を高めたいと感じるように。
自分自身が安積黎明高校以外で通用するかチャレンジしたいという気持ちと、地歴公民科の教員としてより見聞を広めたいと北海道への赴任を決意しました。
地元福島の3校で経験を積んだ後に2019年度より北海道で、さらなるステップへと歩きだしました。
使える社会の授業を

樋川先生が社会科の授業の中で伝えていきたいことは「実社会に使える授業」。
教科書や暗記をするだけの授業を行うばかりではなく、生徒が卒業した後に役立つ授業を意識して行なっています。
生徒が幌加内の町で生活をする中で、課題を見つけ出し町に提言を行う。
自分たちができそうなことを見つけて、町の人たちと近い形を作る地方の高校ならではの取り組みを行なっています。
早くから取り入れたSDGs

2019年より授業の取り組みとして行なっていた「SDGs」。
17の大きな目標を掲げて主に貧困や飢餓、環境問題や豊かな生活を目指して国連サミットで発足された国際的な課題解決です。
これらの課題に対して授業で取り組むことにより生徒の自立を促すことを目的としています。
特に幌加内高校では6次産業をベースとして授業を行なっています。
6次産業とは生産から加工、販売まで全て行うことが6次産業です。
それらを踏まえたSDGsの幌加内高校としての在り方を、生徒と作り上げています。
特徴のある高校だからこそ
6次産業をベースにしていることや、授業でそば打ちが必修となっていること、学校独自の商店会やイベント行事が多い特徴のある高校だからこそ見つけれるもの。
また小さな町だからこそ、町と連動しSDGsを行う楽しさを授業で伝えています。
幌加内高校へ着任した初年度には北海道大学のSDGsポスターコンテストに学生と出場するなど、高校の枠を超えた形も取り入れ。
自分ができそうなことから課題を見つけ、解決する能力を養います。
一人の人間として

教師としての自分。そして一人の人間としての自分。
北海道の幌加内という小さな町で教師としての肩書きを外して生活をする中で、学校以外の私生活も幅を広げています。
近隣の町まで足を伸ばしピアノを習うなど、音楽との関わりは今でも継続しています。
母親が北海道出身だったこともあり、樋川先生自身に近い存在だった北海道。
幌加内だけでなく、北海道の様々な町に足を運び「教師樋川」としてではなく、一人の人間として北海道や幌加内の町の生活を楽しんでいます。
地域みらい留学365
幌加内高校では「地域みらい留学365」という制度で大都市からの高校生を2年生の1年間だけ受け入れることが可能となっています。
2021年度より第1期生が留学した際に、担任としてそれらの生徒を受け入れる可能性が高いのが樋川先生。
生徒にとっても樋川先生にとっても初めてのことでありますが、樋川先生自身はとても楽しみにしています。
同じ気持ちで

樋川先生自身が福島出身ということもあり、地域留学をしてくる生徒とはある意味同じ境遇。
家族と離れて過ごすことで親を想う気持ちや、故郷への想いをさらに持ってもらいたいと考えています。
高校で出会う友達はいくつになっても繋がりが続くもの。
それらを知っているからこそ、元々の学校の友達との繋がりも大事にしてもらいつつ、幌加内高校で出会う友達との関係も楽しんでもらいたいと考えています。
北海道外から来た人間にしか分からないことなどを共感できる先生が担任であるというのは、留学してくる生徒にとっても安心できることかもしれません。
幌加内だから学べること
「地域みらい留学365制度を使って留学を希望してくる生徒は、おそらく何かを変えようと意識している学生」
そんな北海道以外から来る生徒に、幌加内だからこそ学べることを伝えていきたいと考えています。
北海道の自然、小さな町の人と人との繋がり、相手を考える気持ちと自己肯定感を持つ人に。
社会科という授業、そして学校生活を通す中で勉強以外のことを教えれるように。
小さな田舎の学校だからこそ大切なことを伝え、生徒との関係性をユーモアを交えて作り上げることができる先生の一人です。
プロフィール

樋川 太地(といかわ たいち)
福島県出身。
教科は社会科全般。専門は公民。
苦手な教科は数学と体育。
好きな芸能人のタイプは多部未華子。
コメント