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地域みらい留学365という制度
幌加内高校が2022年度から、地方創生の一環として行なっている「地域みらい留学365」という国内留学制度。
高校2年生の1年を地方の高校で学ぶことができるという、新しい留学のスタイルです。
全国で15校(2022年度現在)が参画しており、北は北海道、南は九州まで色々な特徴のある高校へ留学することができます。
高校生という限られた生活圏の中から飛び出し、地方の高校で新たな学びや経験を積むことができる、新たな価値観を持った留学制度です。
この制度を軸に地方創生や町の新たな関係人口を増やすことを目的としています。
地域みらい留学生が町にもたらすもの
まず前提として、地域みらい留学は生徒ファーストであり、地方創生だけを目的のために行われているものではありません。
留学生にとって有意義な学びや経験ができることが前提であり、その波及効果として地域の活性化や関係人口が増えることが期待されています。
幌加内高校でも行なっているこちらの制度では、町の自治体や町民などが多く関わっている制度でもあります。
幌加内高校が単独で行なっている制度ではなく、町全体が関わることで留学生の生活を支えその上で幌加内町から様々な経験を積んでほしいと思っています。
幌加内は人口1300人ほどの小さな町です。たった数名の留学生かもしれませんがその数名が町にもたらす新たな風は小さな風ではありません。
喜ぶ町の人
1年間という間、地域みらい留学生を受け入れた中で彼らが一番印象に残ったことの一つに、ホームステイという声が上がります。
留学生が町に来ることによって、ホームステイの受け入れを行なってくれるホストファミリーも、とても楽しみにしています。
普段接する機会のない高校生。そして、遠い場所から北海道の田舎町にやってきた生徒に対し、町を知ってもらい生活をしてもらうことに多くの喜びを感じています。
また、幌加内高校では課外で行う授業も多く、様々な形で町の人々と関わりを持つ機会があります。
ベースが農業高校ということもあり、町の人々の農業を体験します。
例年幌加内高校の生徒を受け入れてくれる町内の農家さんですが、農家の方々にとっても遠い町からやってきた留学生の話は新鮮で、尚且つ北海道の農業を経験して成長の糧にしてほしいと思っています。
また、町民の人にとっても幌加内高校は大切な高校であり、これからも多くの生徒がやってきてほしいと思っています。
町の資産を留学生に
幌加内町の中心産業は主にそばですが、町にとっては産業でありそばは資産でもあります。
長い間、町や農家の方々が試行錯誤を繰り返し「幌加内そば」という一つのブランドを作り上げました。
幌加内町にとって「そば」は町のシンボルでもあり、多くの人に知ってもらい携わってもらうことで誇りを感じています。
これらのものを留学生に伝え、知ってもらうことにより町を支えているものが何のか、そしてどのような人々が携わっているかなどを知る機会にもなります。
地方創生という視点から
今回の記事は学校という枠に縛られず、地方創生(地域を創り上げる)という視点から少し考えを膨らませていきます。
冒頭で記述したように、地域みらい留学は高校生が地方の高校で学ぶ機会があると共に、その波及効果として地域の活性化にも繋がることが期待されています。
今年度は1期生を受け入れたばかりなので、この制度の効果は留学生や在校生での実感が大きいのではないでしょうか。
彼らの波及効果が目に見える形で出てくるのには、もう少し時間が必要になってきます。
地域みらい留学で幌加内を経験した生徒が、戻ってきてくれると理想的ではありますが、彼らには彼らなりの将来像もあることでしょう。
では、留学生の存在がどのようにして地方創生に影響をもたらすものなのでしょうか。
島根県の事例
幌加内高校が参画している地域みらい留学365の最初の走りは、島根県の小さな島からでした。
スタートは1年間の地域留学ではなく、3年間の地域留学から始まりました。
多くの地方都市の高校は生徒を集めることに苦労しており、年々生徒数が減っている中で生徒を確保することはとても難しいものです。
その中で都道府県を越境することで、地方の高校へ目を向けることができるようになりました。
ここで始まった地域みらい留学が長年の実績を積み上げ、今では多くの生徒が島へ戻ってきたり、留学をした生徒が訪れたりすることで、目に見える形を作り上げましました。
また、これらの事例が島の人々に喜びと活性化を与えたことにより、高校を軸とした地方創生が全国へと広がりを見せました。
町から高校がなくなるという現実
大都市で高校1つ閉校になった場合、その都市に対する影響はどのようなものでしょうか。
確かに卒業生や、その高校への進学を考えていた人たちにとっては色々な影響があることでしょう。
しかしその都市自体にとってはものすごく大きな影響とはなりません。
しかしながら、地方の町にとって高校がなくなるということはとても大きな影響を与えます。
幌加内では町内に1校しかない高校なので、町の人々にとっても学校も生徒も大きな存在感を示してくれています。
もし幌加内高校の生徒数が今後も減少をするとなると、高校の存続について考えていかなければいけません。
町から高校がなくなるということは、小さな町にとってはとても大きな問題なのです。
高校が地方にもたらす可能性
現在、地方都市と呼ばれる町では様々なアイディアや取り組みで、地方の創生や活性化、人口増加などを目指しています。
色々な形で地方創生を作り上げている中、高校を軸として地方の衰退を防ぎ、さらに活性化に繋げている町があるのも事実。
学校とは教育現場であるものの、その町の地域にもたらす影響や存在感は小さなものではありません。
また、国としても高校や学校を軸にした地方創生に取り組み、可能性を感じています。
町に根ざした企業や、大手企業の子会社などですと町に経済的な利益をもたらすかもしれませんが、高校が町にもたらすものはそれらのものとは違います。
人と人との繋がりであったり、その高校が何かの分野で活躍することで、町には活気が湧きます。
高校や学校とは町を一つにまとめる求心力が備わっているのも事実です。
まとめ
幌加内高校が2022年度より地域みらい留学の1期生を受け入れ、高校にも町内にも新たな風を吹き入れました。
すぐに目に見える地方創生の効果があったかと言われると、即効性のあるものではありませんが、小さな変化の芽は発芽を迎えました。
この小さな芽を育てて、大きな樹に育てるには町の人々やアイディア、そして月日という時間が必要になります。
「ローマは一日にして成らず」
地方創生にはそれなりの時間が必要ではありますが、地域みらい留学という小さな種が多くの町で撒かれ芽を出すことによって、様々な町での活性が促されるかもしれません。
現状の高校生活を変えたい生徒のために、そして現状のままでは衰退を辿る町のために、互いにwinwinのプロジェクトが地域みらい留学という制度なのではないでしょうか。
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