北海道の美瑛町という1万人ほどの小さな町から、さらに小さな町の幌加内高校で高校生活を過ごした西條さん。
「小学校、中学校と少人数の学校で生活をしていたので、少人数で学べる高校に行きたかったんです」
そんな西條さんが卒業後も幌加内の町に残ったのは、幌加内高校の先生たちと繋がっていられる町だったからでした。
そば打ちがしたかった
「父親がそば好きだったのでそば打ちをしてみたかったんです」
西條さんが高校を選ぶときに、中学校の先生が勧めてくれたのが幌加内高校。
農業も好きだった西條さんにとってはそば打ちと農業が学べ、尚且つ少人数で学校生活ができる自らに合った高校でした。
そんな少人数の幌加内高校では先生と生徒の距離が他の高校に比べてとても近い存在。
特に学校授業でのそば打ちでは地域の有段者が直接指導してくれるので、町の人とも触れ合える環境が整っている学校でした。
農業の授業も楽しめた
西條さんが幌加内高校での生活を楽しむことができたことのもう一つに、農業の授業を楽しむことができたのも大きかったと言います。
自身の実家が農業をやっていたということもあり、農業への抵抗感は当初からありませんでした。
西條さんが農業の授業を楽しめた理由には、幌加内という町で地域の人々と一緒に仕事をすることができたことだとも語ります。
学校の農業助手として来ている地域の方々はもちろんのこと、授業の一環としてある「農業体験実習」では町の方々が運営する畑に行って実習授業を行います。
そんな中で触れ合う地域の人々との関係性は、西條さんにとって成長する学びの場所でもありました。
幌加内に残りたかった
高校卒業後、友人の多い旭川への就職や地元美瑛町に帰って就職をするという選択肢もありました。
しかし幌加内町にある温泉施設「ルオント」に就職し町内に残った理由は、
幌加内町の居心地がよかったから。
その居心地の良さの大きな理由は西條さんの性格に合っていた町の規模感もそうでしたが、高校で一緒に生活をすることができた高校の先生との距離感。
「先生が温泉に来てくれることもあるし、学校に遊びに行くこともできるので」
自身も語るように「接しやすかった」という学校の先生たちとは卒業後も変わらず続いています。
スキルを活かせる町
西條さんが幌加内高校に在学中、取得したそばの段位は二段。
努力を重ねて取ったスキルと資格を活かせる仕事を考えたときに、西條さんにとって幌加内温泉「ルオント」の仕事は自らに合った職場でした。
現在はフロントでの接客業や温泉の掃除などが中心ですが、時よりレストランでそば打ちをお願いされることがあります。
そんな時には、有段者としてのスキルを発揮し、お客さんにそばを振舞うことも。
町立学校という町の人々に支えられた学校でそばを学び、卒業し町の職場でそばを振舞う姿は学校の先生をはじめ、多くの町民にも喜ばれています。
途切れない関係性
西條さんがルオントに就職したことで、高校生活から作り上げた関係性は途切れることなく続いています。
学校の先生方や友達はもちろんのこと、幌加内町としても嬉しいことは町の人との繋がりが途切れないこと。
「農業体験でお世話になった人など、今でも声をかけてくれます」
西條さんのような先輩がルオントにいるからこそ、町民の方々もその後の幌加内高校の学生への応援をしてくれますし、
長きに渡って、幌加内高校の学生や卒業生への繋がりを保ってくれるのは、このように町に残り高校で培ったスキルを活かしてくれる卒業生がいるからのことなのです。
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