私は農業がやりたかった
石川さんが幌加内高校へやってきた理由は「農業がやりたかった」から。
一度他の高校へ入学したものの、自分の描いていた学校生活と違った石川さんは高校を受験し直し幌加内高校へ編入しました。
そんな石川さんが農業をやりたかった理由は「中学校の時に修学旅行で経験した農業の体験実習」。
編入する際に一度高校をやめたことで、自信を無くしそうになっていたものの、体験実習でお世話になった農家さんとの手紙のやり取りで、本当にやりたいことを再確認するきっかけになりました。
自分の好きを見つける
幌加内高校で農業や6次産業を3年間学んだ石川さんが現在大学で取り組んでいることは、
生産者と消費者が繋がる社会を構築すること。
彼女の大きな夢となった社会構築は、幌加内高校の学びからでした。
その夢を叶えるために今、大学で学んでいることは「地域経済」「マーケティング行動論」「経学」「グローバルリズム」など、高校で学ぶ授業からさらに上のレベルで勉強を続けています。
これらのことは幌加内高校で学んだ6次産業の延長線上にあるもので、石川さんにとっては自然の流れで専攻したものばかりです。
一見すると難しそうなことですが、彼女にとっては「自分の好き」を高校で見つけ、卒業後も継続して学び続けています。
「興味を持つ」という武器
「好きこそものの上手なれ」
石川さんが在校生に伝えていきたいことはシンプルなことばかりです。
「自分の好きなことを見つけること」そして「興味を持つ」という武器を使ってほしいということです。
誰しもが石川さんのように好きなことを見つけることができるかはわかりません。
しかし少しの興味でもいいので、自分の興味があることに挑戦してみるということは、自分の好きを見つける行動の一つに繋がります。
あなたが持つその興味は、社会に出ると実は大きなスキルになるという隠れた財産なのです。
旅する女子
大学に入り様々なものに興味が広がった石川さんは、時間を作っては日本全国を旅するようになりました。
元々旅をすることが好きだったこともありますが、フィルム写真が趣味の石川さんにとって、色々な町の写真を撮ることは自然な流れでした。
そんな「好き」の延長線上に待っていたものは、自身の撮った写真の写真展。
「女子でももっと旅をして欲しい」
旅先で様々な感動や好奇心を膨らませた彼女は、旅することの美しさをもっと多くの女の子に味わって欲しいと考えています。
私たちの当たり前
「私たちの当たり前は当たり前ではない」
石川さんが幌加内高校の後輩に先輩として伝えたい事実。
高校で当たり前だったことは、大学や社会に出ると当たり前のことではなくなります。
少人数の学校故に近い先生との距離感。
ある意味では恵まれた環境で、有意義な時間を過ごすことがあっても、大学では先生が高校ほど親身になってサポートをしてくれることはありません。
高校を出ると学校以外の生活の面で自由な時間が使えるようになります。
自分の中にある当たり前の定義を変えるためにも、様々な場所を旅して色々な価値観を感じてほしいと考えています。
君たちはどう生きる?
働き方の多様性が出てきて、親の背中を見て将来を見つめても正解を見つけることができない今の時代。
終身雇用が当たり前のことではなくなったことで、複数のキャリアを掛け合わせることが特別なことではなくなりました。
「パラレルキャリア」
そんな複数のキャリアを持つ働き方が提唱されるようになったことで、在学中からそんな視野を持って将来を考えてほしい。
大学生となり、社会人を目前とした石川さんだからこそ自身が感じるこれからの時代を、後輩に伝えます。
「君たちはどう生きる?」
幌加内高校に転入する前に、高校をやめたことで自分自身の自信をなくし、どん底だった時期を過ごしたからこそ石川さんが強く伝えたいこと。
君にとって譲れないものは何なのか。
小さな町の小さな学校で同じ学びを経験した石川さんだからこそ、後輩には自身が経験した多くのことから何かを感じ取ってほしいと願っています。
卒業生プロフィール
石川 朋佳(いしかわ ともか)
小樽商科大学在学
高校時代は全国高校生そば打ち選手権大会で個人優勝。
社会情報学科を専攻し、生産者と消費者をつなぐ社会を目指している。
地域経済やマーケティング行動論を学びながら、都市部と地域との繋がりの変化を勉強中。
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