[教員]大切なことは教員自身が楽しんで授業を行うこと

幌加内高校の教員

北海道で3つの高校で全て農業を指導してき、今は4つ目の農業高校、幌加内高校。

竹田先生が農業を通して生徒に伝えていきたいことは、楽しむことと積み重ねることの重要性。

でも、本当は農業が嫌いで教員という仕事をするようになりました。

そんな奇遇な竹田先生が生徒に伝えること。

今までの経歴

北海道遠別農業高等学校 (10年)

北海道富良野緑峰高等学校(6年)

北海道剣淵高等学校(4年)

北海道幌加内高等学校(11年目)(2021年現在)

酪農学園大学で農業の教員免許を取得し、これまでに農業一筋で様々な高校で農業を指導してきた竹田先生。

特に穀物を中心とした作物を育てることを得意とし、その過程の中で生徒に様々なことを感じて欲しいと考えています。

嫌いだった農業

自分自身の家が農業を営んでおり、自らの仕事をするにあたり農家だけは嫌だと感じていた竹田先生。

若い頃はそんな気持ちで農業から離れることを決断しました。

自分自身が仕事を選ぶ際に参考になったのが自らの叔父。

楽しそうに教員をやっているのを見て、教師としての将来を考えるようになりました。

また部活動でソフトテニスをやっていたこともあり、それらを子供に教えたいという気持ちが重なったのもこの頃から。

当時通っていた酪農学園大学で教員免許を取得することにしました。

農業教員として

人生とは奇遇なもので、農業には就きたくないと考えていたのに、結果的に取得した教員免許は農業科の教員としての免許。

「社会科の教員を考えてはいたんだけど、農業科の教員の方が受かりやすかった」

自分自身の親が農業を営んでおり、農業はやりたくないと思っていたものの、結果として農業を教える立場として〝農〟に携わることになりました。

そして農業を生徒に教えていくうちに、自身も作物を作る楽しさを感じ、結果として自らが楽しんで授業を進めることで生徒と共に楽しさを感じるようになりました。

大切なことは習慣を身に付けること

竹田先生が農業の授業を通す中で高校生に伝えたいことは〝習慣化することの大切さ〟です。

農業を通して学ぶことは、作物を作ることだけではありません。

「観察をすることで毎日何かの気づきを見つけてほしい。毎日観察するということは、習慣化を身に付けるということ」

自分の担当する作物を観察しなくなったら不安になるくらいの習慣化が身につけば、卒業後の仕事にも役立つ。

農業校で成長できることは必ずしも作物を育てることだけとは限らないと竹田先生は言います。

変わる卒業生

竹田先生が幌加内高校に赴任してきた頃、時代の背景もあってか決して全ての卒業生が満足をして卒業していたわけではありませんでした。

しかし時代と共に、高校生の考え方や価値観が変わり、それと共に竹田先生自身の考え方も変わっていきました。

特にここ数年では〝満足して卒業していく子が増えていった〟ことが明らかに変わったことの一つだと言います。

理由は一つだけではないのかもしれませんが、少子化で人数が少なくなったことにより生徒と先生の距離感が縮まったことが大きな理由の一つかもしれません。

長年、幌加内高校に勤務している竹田先生だからこそ見える、幌加内高校に来る高校生の変化の一つでもあります。

君が主役でいい

「人数が少ないからこそ、一人一人が主役になれる学校」

そう語る竹田先生は、少人数だからこそ味わえる、自分自身が主役である高校生活を送ってほしいと思っています。

主役になるとは必ずしも、大勢の前に立ち人を引っ張ることではありません。

それぞれがそれぞれの個性で高校生活を送り、自分自身の人生の主人公であること。

そんな後押しを支えてくれるのが竹田先生であり、幌加内高校で学ぶということなのです。

生きる力を身につけろ

幌加内高校では町内の生徒以外は全ての生徒が寮生活となります。

親元を離れて寮生活をする中で3年間も多くの先輩後輩と生活をすれば、揉めることも少なからずあります。

しかし竹田先生は言います。

「揉めることがあるのは人である以上普通のこと。その中で自分をどう立ち振る舞うかが将来に生きる」

学校生活で学べること、そして寮生活で学べる他人との共同生活で自然と身に付く生きる力。

そんな生徒の成長を見ていくことも竹田先生の教師としての楽しみでもあるのです。

教員は1割の喜び

「教員は9割が大変かな。でも1割の喜びがまた楽しい」

教員という仕事は、商品を扱う仕事ではなく人様の子供を扱う仕事。

学校やクラスのバランス、また時には生徒の親の考えも尊重し、その中で生徒の成長を後押ししなければいけません。

「自分が楽しく仕事をすることで生徒に楽しさが伝わる」

表情から楽しさを作るように、そして仕事は楽しくやることで生徒との時間を楽しく過ごす。竹田先生が大事にしていることの一つです。

〝楽しく学ぶ〟

学ぶとは難しく考えることでも、難しく捉えることでもなく、楽しく学ぶこと。

それが一番成長する近道なのではないでしょうか。

地域みらい留学で来る生徒へ

幌加内高校が2021年度より受け入れる、首都圏を中心とした地域留学生。

1年間地方の高校へ留学できるという新しい国の制度です。

そんな制度を利用して幌加内高校に来る生徒に竹田先生は、新しい風を吹き込んでくれることを楽しみにしています。

地域留学生が来ることで、今いる幌加内高校の生徒への刺激となり、また逆に地域留学生も北海道の小さな町で味わったことのない刺激を受けてほしいと思っています。

地域みらい留学で来る新しい風は、生徒だけではなく、先生方すらも楽しみにしていることなのです。

プロフィール

竹田 満俊(たけだ みつとし)

北海道出身

年代物の車を見るのが趣味。時間がある時はイベントなどにも見にいくことも。

苦手な科目は英語。農業科の教師として指導をするも、幌加内高校では生徒と一緒に調理実習を行う。

他校にいた頃はソフトテニス部を指導していた経験もある。

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